とある士業の方から
士業の先生
集客のためにホームページが必要だと考えているが、ネットとかITとかにそんなに詳しいわけでもなく、カモにされないためにまずは情報を集めたいと言うお話。
ホームページ関係って専門用語は多いし、費用もピンキリ。そもそも何から始めたらいいの??という気持ちの整理の助けになればという思いで書いていきます。
情報収集や見積もり取得の前に決めることがある
いろいろなところに見積もりや問い合わせをして比較検討するのも良いですが、士業の先生方の時間は有限で高価です。
例えば弁護士は法律相談30分5,000円からが相場。見積もりのためのヒアリングや打ち合わせに1時間使うのは、自分の売上から1万円分使っているとも考えられます。
また、ホームページ制作会社も実際に受注するまではタダ働き。あなた(士業)側もある程度の考えをまとめていくことでお互いの時間と費用の節約になります。
「先生は何もしなくていいです!こちらで全て準備しますので!」などと言ってくる方には注意してください。全て丸投げのフルパッケージですからかなりの高額になります。安価な場合、同業他社と代わり映えしない「成果の出ないホームページ」が出来上がるだけです。
目次
1.ホームページ制作予算を決める3つのステップ!
自分が納得できる予算を考えましょう。「相場より安かったら得、高かったから損」という考えだと疲弊します。自分が出すと決めた金額で想定した効果が得られることが必要です。(それがなかなか難しい)
納得感のある予算を決めるために以下の3つを検討していきます。
1-1.ホームページを作ることでアップさせたい売り上げ金額や件数
ホームページを作る目的は集客と受任数のアップです。では、具体的に何件、何万円の売上を増やしたいと考えていますか?
月にいくら、年間だったらいくら。
「稼げるだけたくさん」とか「多ければ多いほうが良い」とかは駄目です。自分がベストパフォーマンスを出せる理想の数値を考えてみてください。
1−2.感覚的に出してもいいと思える金額(初期、月額)
アップさせたい売上金額を念頭に置いて、いくらなら出せますか?
理詰めで考えてもいいですし、感覚的なものでも大丈夫です。
この時、初期費用だけでなく月々に支払う金額も考えてください。
ホームページ制作はインターネット上に事務所を構えるようなものです。初期費用と毎月の家賃(サーバー代やサポート費)がかかります。必ず1年間などの少し長いスパンで考えてみましょう。
1−3.自分がホームページ制作に費やせる時間
自分のプロフィールや、事務所のアピールポイント、お客様の声などなど、ホームページ制作会社の方には知り得ない情報があります。これらは、あなたが自分で用意するしかありません。
用意するために考えたり文章を書く時間、本業はストップ。売上や収入が落ちます。これも費用と考えたほうが良いです。(1日何時間、週に何時間まで使えるか?など)
スタッフにお願いするにしても、その人の時給がかかります。
初期費用が安かったりするするサービスは、こういった内容のほとんどをホームページ制作会社ではなく、あなたが考えることで低コストを実現しています。
2.サイトの制作・運用方針を3つから選ぼう!
次に、どういったホームページを作りたいのか、運営方針をどうするかを決めていきます。
「かっこいい」「誠実」「親しみやすい」とかいうイメージではありません。(そういったものはホームページ制作会社から提案してもらいましょう)
難しく考えることはありません。以下の3つから選ぶだけです。
2−1.最低限の内容のみで集客を主目的としない
お客様(依頼者)のほとんどが紹介で、ホームページからの集客があまり必要ない場合があります。では、ホームページなど不要では?と思うかもしれませんが違います。
紹介案件であっても、お客様は事務所の場所や営業時間を調べるためにホームページを訪れます。簡易なプロフィールや顔写真、事務所の住所や地図、電話番号などの情報があれば十分です。この場合、お金や時間をかけすぎてはいけません。
口コミで行列が絶えない地方のお店というイメージです。
・時間も取られない
・集客用サイトに転換する場合は作り直しになる
2−2.Webからの集客に力を入れる(費用をかける)
まとまった資金が用意できる場合、また本業がとても忙しくホームページ制作にかける時間がない場合にオススメです。
具体的にはホームページの内容や文章はその道のプロに依頼して作ってもらい、広告費用をかけて検索順位トップに表示させます。
言うなれば「時間や手間を金で買う」ということです。
その結果、多くの悩みを抱える人の目に止まりホームページ訪問が増え、問い合わせや受任が増えます。
高額の賃料で都心のど真ん中に路面店を出すイメージです。
・すぐに検索結果の上位に表示される
・曖昧な指示でもホームページが完成する
・広告費が高額になる
・広告の管理手数料がかかる
・広告費をかけても問い合わせや受任数が増えない場合がある
・広告を止めると訪問者が急激に少なくなる
2−3.Webからの集客に力を入れる(自分の時間を使う)
そこまでまとまった費用が出せるわけではないが、自分の時間は比較的自由になる。
パソコンやスマホを使うこと、文章を書くことが得意だという方にオススメな方法です。
ホームページ制作会社に最低限の設定を行ってもらい、ホームページの内容は自分で考えます。
内容部分をプロに依頼しないし、広告費もかけないので費用を抑えることが出来ます。
(事情があって、かなり予算を抑えたい場合はパソコンやインターネットに詳しい友人に頼むという手段もあります)
困っている人(士業に依頼しようと考える人)にとって役立つ情報を多く掲載することで検索順位が上がっていきます。
検索順位が上がると、ホームページへの訪問者が増え、問い合わせや受任が増加します。
また、情報発信をしている熱心な先生としてメディアの取材が来たりして多くの方に認知してもらえます。
路地裏の目立たない物件を借りて、内装はDIYで行うというイメージです。
※検索順位が上がる内容については以下の書籍を参考になさってください。
・広告費用がかからない
・メディアに取材されたりする
・継続的に情報発信をしなければならない
・高い頻度で情報発信をしなければならない
・検索順位が上がるまでに時間がかかる
・どんなに頑張って情報発信しても検索上位に上がってこない場合がある
・金をかけるか、自分の時間をかけるか、自分に合ったスタイルを考えてみる。
3.ホームページから集客したいお客様(依頼者)を考える3つのステップ!
予算、スタイルと決まってきたら、どんなお客様に来て欲しいかを考えます。
お客を選ぶなんて、、とにかくたくさんのお客さんに来てほしい。誰でもウェルカム!と欲張理たくなる気持ちはわかります。
しかし、万人向けに用意されたホームページは誰からも見向きされません。
「あれ?これって私のために書かれた内容?」とドキッとするくらいでないと興味関心を持ってもらえません。
難しく考えることはありません。以下の3つのポイントから思い浮かべていきましょう。
3−1.自分の信念に基づいて依頼を受けたい人
なぜ士業を志したのか。理由は人それぞれだと思いますが「○○で困っている人の役に立ちたい!」という強い決意がある方も多いでしょう。○○の部分を考えてみてください。
3−2.割の良い仕事を依頼してくれた人
労力の割に売上が多かった。効率的に対処することが出来た。
など、「割の良い」という表現は不適切かもしれませんが、過去を振り返ってみてください。
3−3.自分の得意分野の依頼をくれた人
これだけは人に負けない!この分野が好き!得意!というものがあると大きな武器になります。
得意分野の相談に来てくれたお客様(依頼者)を思い出してください。
性別、年齢、正確、仕事内容など。何かしら共通点があったりしませんか?
最後の「集客したいお客様」が決まると、その人に興味を持ってもらうためのデザインや雰囲気を検討することが出来ます。
まっとうなホームページ制作会社であれば、「そういった方向けでしたら○○というデザインや雰囲気が適切だと思います」と提案してくれるでしょう。
また、予算オーバーかなと思ったときは素直に伝えてみましょう。この時に「無理に値引きをせよ!」と詰め寄ってはいけません。
何かを諦める(削る)ことで予算を低く出来ないかと質問してみてください。
初めてのホームページ制作、常に不安と疑問でいっぱいだと思います。
こんなにお金かかるの??こんなことも自分でやらなきゃならないの?こんなに大変なの?そんなことの連続です。
それでもホームページは必要です。なぜか。人は悩みを検索するからです。
あなたも悩んだり不便だと思うことがあったら誰かに聞くより前に検索しているでしょう。
同じことが士業選びでも起こっています。
最後に。
ホームページ制作会社やデザイナーさんと話す時に「お、こいつは素人じゃないな!ちゃんと勉強しているな」と思ってもらえる言葉をご紹介。
「ホームページ」のことを「Webサイト(ウェブサイト)」と書いたり話したりしてみましょう。
「それだけ?」と思うかもしれませんが、それだけで十分です。
それでは、悔いのないWebサイトづくりを。